Kawasaki Let the Good Times roll と 私
投稿者 : rfuruya
★ 10月1日、川崎重工業から分社化し、
『新会社カワサキモータース』が発足した。
1960年当時の川崎航空機工業が明石工場の中に『単車の一貫生産』をスタートさせたのが、カワサキの『二輪事業のスタート』だが、
それからほぼ60年の年月を経ての新会社の発足なのである。
1960年のスタートの時期に、新しくできた単車営業部に配属された者として、本当に感慨ひとしおなものがある。
この60年間、カワサキの二輪事業はそんなに順調な時代ばかりではなく
むしろ『難しい時期』の連続だったのだが、
1990年代に入ってようやく事業の安定をみたのである。
その間、川崎重工業の多くの事業の中で末端・民需・大量生産事業として
特異な存在であったのだが、
今回の分社独立はご同慶の至りなのである。
★ スタートから約40年間、私自身はカワサキの二輪事業一筋に担当してきたのだが
個人的に秘かにそのベースにあった基本コンセプトが
Kawasaki Let the Good Times roll ! だったのである。
これは1975年頃にアメリカのKMCで採用されたコンセプトで
当時のKMC社長浜脇洋二さんのその報告会に出席したのだが、
その時は私は国内担当だったのだが『これは素晴らしい』といたく感動したのを鮮明に覚えている。
このコンセプトはアメリカのカワサキだけで使われたもので、その後数年で消えてしまっていたのである。
それから20年近い年月が流れて1990年代に国内のKMJで、このコンセプトを私が復活したのである。
あの時国内市場で復活しなければ、このコンセプトが世に残ることはなかったに違いないのである。
これは当時の明石のショールームに展示されていたものである。
こんな風に言ってるが、スタートの発想がアメリカなので正規の日本語訳は存在しない。
当時のKMJの社長であり単車事業本部長であった髙橋鐵郎さんが、
それを『世界のカワサキ二輪販社での展開』とし
田崎雅元さんが川重社長の時には川﨑重工業のコンセプトにもなったのである。
それが川重社長が交替して一時消えかけて非常に心配した時期があった。
もう10年も以上も前の話だが、髙橋鐵郎さんとも相談して、
NPO法人The Good Times を創ってそのコンセプトだけでも世に残そうとしたのである。
私にとっては、そんなにも思いつめた時期もあったコンセプトなので、
今回、新会社カワサキモータースの基本コンセプトとしてこのように大々的に採用されたことは非常に嬉しいことなのである。
★二輪事業はスタートの時期、国内市場では苦難の時期が続いたのだが、
● 若し アメリカ市場がなければ
● 若し Z1などのカワサキ独特のスポーツバイクがなければ
● 若し Let the Good Times roll のような楽しいコンセプトがなければ
現在ある独特の『カワサキイメージの創造』はなかったと思っている。
★今回の新会社は、
こんな『楽しんじゃえ宣言』という形でのスタートとなった。
このバイクにまたがってるのが新社長の伊藤浩さんだが、
Kawasaki Let the good times roll がそのメインコンセプトになったのは
何よりで、私にとっては何物にも代えがたい感慨深いものがある。
★ これは数年前『カワサキアーカイブス』制作時に
『後輩に送る言葉』と言われて
この時私が語った言葉が Kawasaki Let the Good Times roll だったのである。
私にとってこのコンセプトはカワサキの二輪の歴史と共に歩んできた『基本コンセプト』なのである。
そう言う意味で、今回の『カワサキモータース』の新社長伊藤浩さんに本当に感謝なのである。
これで Kawasaki Let the good times roll はもう消えてしまうことはない。
当時のKMC社長だった浜脇洋二さんもきっと喜ばれるに違いないのである。